○今別町文化財保護条例

昭和57年10月2日

条例第25号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号)及び青森県文化財保護条例(昭和50年青森県条例第46号)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、今別町の区管内に存する文化財のうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、町民の郷土に対する認識を深めるとともに、文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他有形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で町民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(「民俗文化財」という。)

(4) 貝づか、古墳、城跡、旧跡その他の遺跡で町にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、山岳その他の名勝地で町にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質、鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で町にとって学術上価値の高いもの(「史跡名勝天然記念物」という。)

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 今別町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 文化財の保存及び活用

(指定)

第4条 町が保存及び活用のために指定する文化財(以下「指定文化財」という。)の指定は、教育委員会が行うものとする。

2 前項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会はあらかじめ所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が明らかでない場合は、この限りでない。

(指定の解除)

第5条 教育委員会は、指定文化財が次の各号のいずれかに該当したときは、その指定を解除することができる。

(1) 滅失したとき。

(2) 著しくその価値を失ったとき。

(3) 町の区域外に移ったとき。

(4) 国又は県の指定を受けたとき。

(5) その他特殊の事由があるとき。

(指定及び解除)

第6条 教育委員会は、第4条及び前条の規定により文化財を指定しようとするとき、又は指定を解除しようとするときは、今別町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)に諮問しなければならない。

(通知及び告示)

第7条 教育委員会は、第4条の規定による指定又は第5条の規定による解除をしたときは、その所有者等に通知し、告示しなければならない。

(保存措置)

第8条 教育委員会は、文化財の指定をしたときは、関係人と協議してこれに必要な保存措置を講ずることができる。

(管理義務)

第9条 指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく規則及び教育委員会の指示又は勧告に従いこれを管理しなければならない。

(届出事項)

第10条 指定文化財の所有者等は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

(1) 指定文化財について権原の移動が生じたとき。

(2) 指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損したとき。

(3) 指定文化財の所在地を変更したとき。

(4) 所有者等の氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。

2 前項第1号の場合にあっては、関係人の連署を必要とする。

(現状変更等の制限)

第11条 所有者等は、指定文化財に対して次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。

(1) 現状を変更しようとするとき。

(2) 保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき。

(公開の勧告)

第12条 教育委員会は、所有者等に対し3か月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため、指定文化財の公開を勧告することができる。

(公開経費の負担)

第13条 前条の規定により公開を勧告したとき、その所有者等が公開に要した経費は、町の負担とする。ただし、所有者等と共催の場合の経費の負担については、教育委員会と所有者等が協議の上決定する。

(経費の負担)

第14条 指定文化財の修理、管理又は復旧(以下「修理等」という。)に要した経費は、所有者の負担とする。ただし、特別な事情があるときは、その経費の一部に充てさせるため、教育委員会は予算の範囲内で補助金を交付することができる。

(報告)

第15条 教育委員会は、必要があるときは所有者等に対し、指定文化財の現状又は修理等の状況について報告を求めることができる。

(補助金の返還)

第16条 第14条の規定により補助金を受けた指定文化財を他に譲渡する場合又は補助の条件を履行しなかった場合は、交付した補助金の全部又は一部を返還させることができる。

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、教育委員会が別に定める。

この条例は、昭和58年4月1日から施行する。

今別町文化財保護条例

昭和57年10月2日 条例第25号

(昭和57年10月2日施行)